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GO! ララ、GO! (22)

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二十二 認可は速やかに

 ワン・ホンはレスターに命じられたとおりに職務記述書を作成した。異動昇進内申表に記入する段になると、職位の欄に書き込むのをしばらく躊躇した。レスターは彼に「人事総務部長」と言ったが、彼の理解ではレスターが実際に与えたいのは「人事総務部長補佐」のはずだ。以前にローズを昇進させたときも最初は「部長補佐」とし、その後に「部長」と改めている。ましてやララには「人事」の二文字まで加えている。給与部長のワン・ホンには、この「人事」の二文字が余計につくことでララの市場価値がぐっと上がることがよくわかっていた。総務部長よりも人事部長のほうがよっぽど価値があるのだ。ワン・ホンは「たとえ『人事総務部長補佐』の肩書だけでもララは大いに得をする」と考えた。

彼は長いこと考えていたが、レスターに確認しに行くのはやめて自分勝手に職位の欄に「人事部長補佐」と記入することにした。次は「給与改定」欄だ。ワン・ホンがララの現在の給料を調べると六八二五元であった。この数字にワン・ホンは目を疑い、ララの我慢強さに感嘆した。レスターもあまりに気前が悪い。さて、現在の問題はワン・ホンがララの給料をどの程度上げるべきかということだ。

 通常、現在の給与金額に問題がなければ二〇~三〇%以内の昇給となる。しかしララの現在の給与は市場相場に比して明らかに低い。社内規定によれば昇進する社員の現時点の給与が明らかに低すぎ、業務成績が特に優秀である場合には社長の特別許可を得て五〇%まで昇給することができるとある。ワン・ホンの知る限り、レスターは昇給に対しては常に消極的で普通なら自ら進んで上限の三〇%までアップすることはめったにない。もし上げ幅が大きすぎればおそらく疑問を提示してくるだろう。さらにワン・ホン自身にもララが今回はあまりに優遇されているという思いが多少なりともあったため、給与をあまり高くしたくはなかった。しばらく考えてから「基本給決定に関する提案」の欄には「八八〇〇」と書き込んだ。

レスターはワン・ホンから書類を受け取るとすぐに、「ん? ワン・ホン、これは違う。職位に『補佐』はいらない。我々はララを『部長』にすることにしたんだ」と言った。ワン・ホンは顔を赤らめた。レスターに自分がララに部長の肩書を与えたくないという思いを見透かされたと感じたが、何とか言い返した。

「レスター、一度でこんなに昇進させるのは早すぎませんか。まずは『部長補佐』を務めさせて段階的にキャリアアップしたほうが、目標ができて更に努力を続けて成長するでしょう。半年か一年ほど観察して、それなりの成績を上げた時こそ『部長』の肩書というインセンティブを与えてやればいいと思いますが」。

 レスターは何度も頭を横に振った。

「認可はタイミングが大切だ。認可のタイミングを外し、奨励のタイミングを外すことは人事管理のタブーだよ。彼女が最も求めている時に与えてこそ最も効果的なんだ。仕事に慣れきってしまってからポストを与えても今ほどの効果はなくなる」。

ワン・ホンは余計な口出しをした結果となり、そのとおりですと言うしかなかった。

 レスターの指が給与欄の「八八〇〇」のところにすべっていった。

「我が社の非採算部門の部長の最低基本給はいくらだっけ?」

 ワン・ホンは冷や汗が出てきた。今日は自分がバカなことをしたのか、それともレスターが普段と違うのかわからなかったが、とにかくレスターは八八〇〇という低すぎる額が気に入らないようだ。ワン・ホンは気持ちを落ち着けて答えた。

「会社のポリシーによると九〇〇〇元です」。

 レスターは少し考えた。ララは何といっても部長だ、今回は彼女を徹底的に満足させよう、昇進しても給与面でわだかまりを持つことがないようにしなければ。レスターは考えを決めた。

「ララの月給はぴったり一万元にしよう。彼女の今の基本給は低いが、仕事のレベルは新部長の基本レベルよりも高い。これをハワードに届けて許可をもらってきなさい」。

そう言いながら彼は無造作に電卓をたたき、六八二五元から一万元への昇給は四六%アップだと算出し、その数字をワン・ホンに見せた。

 ワン・ホンはDBに入社した日に自ら決めたルール――レスターとは常に良好な関係を保つ――を守り、それ以上抗弁しようとせず、「承知しました。職位と給料の二か所を書き直して十分後にまた持ってきます」と言った。レスターはうなずいた。

 

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